空気が読めてるスマート クーペ&カブリオに試乗
掲載 更新 carview! 文:河口 まなぶ/写真:荒川 雅臣(国内)、メルセデス・ベンツ日本(アメリカ)
掲載 更新 carview! 文:河口 まなぶ/写真:荒川 雅臣(国内)、メルセデス・ベンツ日本(アメリカ)
スマートが2代目に進化した今、ようやく時代がスマートに追いついてきた。初代の欧州デビューが1997年、2代目の欧州デビューが2007年とギャップは実に10年。スマートの崇高な思想と哲学は、時代の一歩先どころか10年先を行っていたわけだ。
しかし早過ぎる発明は不思議と、世に名が知れ渡るのとは裏腹に数ある危機をも招く。事実スマートはスウォッチとメルセデス・ベンツのコラボレートという話題を引っさげデビューし、この10年で他に例を見ないほど認知を広げた自動車ブランドとなったが、ビジネスは惨憺たる状況で事業撤退の噂も根強かった、そう数年前までは…。
しかし、時代の風はアゲインストから一転フォローとなり、アメリカというこれまでスマートにとって最も無縁の地でも販売が開始されたほど。温暖化問題、原油高、都市インフラ…現代を象徴する全てのキーワードが、風前の灯火だったスマートの息を吹き返らせた。昨年のフランクフルトショーでは、2代目モデルのディーゼル・エンジン搭載車のボディサイドに堂々「88g/km CO2 CHAMPION」の文字を踊らせ、どのクルマよりも輝かしく鎮座していた。
もちろん今後のスマートがどんな歴史を築くかは誰にも分からないが、ここまでの話ですでに“時代を変えるモノ”に共通する黎明期のドラマが存在しているように思えてならない。
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